ギターを始めたいと思ったとき、多くの人が最初に迷うのが「エレキギター」と「アコースティックギター」のどちらを選ぶべきかという問題です。
見た目の印象でいえば、エレキギターはロックバンドやライブステージで使われる派手な楽器、アコースティックギターは弾き語りや路上ライブで使われる素朴な楽器、というイメージを持つ人が多いでしょう。たしかにその理解は大きく間違ってはいません。しかし、両者の違いをそれだけで捉えてしまうと、実際に購入したあとに「思っていた練習環境と違った」「自分の弾きたい曲に合わなかった」「初心者にはどちらが続けやすいのかわからない」と迷いやすくなります。
エレキギターとアコースティックギターの違いは、単なる音量や見た目の差ではありません。最も本質的なのは、音をどのように生み出し、どのように完成させる楽器なのかという点です。エレキギターは、弦の振動をピックアップで電気信号に変え、アンプやエフェクターを通して音を作る楽器です。一方、アコースティックギターは、弦の振動をボディ内部で共鳴させ、その場に生音として響かせる楽器です。
つまり、エレキギターは「音を加工して作り込む楽器」であり、アコースティックギターは「楽器本体の響きをそのまま聴かせる楽器」といえます。この違いは、音色だけでなく、必要な機材、練習場所、指への負担、向いているジャンル、弾き語りとの相性、録音のしやすさ、ライブでの扱いやすさにまで影響します。
この記事では、「エレキギター」と「アコースティックギター」の違いを、初心者にもわかりやすく、しかし表面的にならないように深く解説します。どちらが上、どちらが簡単という単純な話ではなく、あなたがどんな音楽をやりたいのか、どんな環境で練習するのか、どんな楽しみ方を求めているのかによって最適な選択は変わります。読み終えるころには、雰囲気ではなく、自分の目的に合ったギターを判断できるようになっているはずです。
- 結論:「エレキギター」は音作りの自由度、「アコースティックギター」は生音の完成度が強み
- 1. 音の出る仕組みの違い:電気信号で作るか、空洞で響かせるか
- 2. 弾きやすさの違い:初心者にとって簡単なのはどちらか
- 【徹底比較】「エレキギター」と「アコースティックギター」の違いが一目でわかる比較表
- 3. ジャンルと演奏スタイルの違い:どんな音楽をやりたいかで選び方は変わる
- 4. 初心者が誤解しやすいポイント:安さ・音量・上達のしやすさだけで決めない
- 実践:「エレキギター」と「アコースティックギター」で迷ったときの5ステップ
- 「エレキギター」と「アコースティックギター」に関するよくある質問(FAQ)
- まとめ
- 参考リンク
結論:「エレキギター」は音作りの自由度、「アコースティックギター」は生音の完成度が強み
結論から述べると、「エレキギター」と「アコースティックギター」の最も大きな違いは、音を電気的に作るか、楽器本体の響きで鳴らすかにあります。
- エレキギター:
- 弦の振動をピックアップで拾い、アンプやエフェクターを通して音を出す。
- 歪み、クリーン、空間系など、音色を大きく変えられる。
- ロック、メタル、ポップス、ジャズ、ファンクなど幅広いジャンルに対応しやすい。
- ヘッドホン練習や録音環境との相性がよい。
- ギター本体だけでは完成した音になりにくく、アンプや周辺機材を含めて考える必要がある。
- アコースティックギター:
- 弦の振動をボディで共鳴させ、生音として響かせる。
- 電源やアンプがなくても、その場で演奏が成立する。
- 弾き語り、フォーク、カントリー、ソロギター、シンガーソングライター系の音楽と相性がよい。
- 楽器本体の鳴り、木材、ボディサイズ、弾き方の影響が音に出やすい。
- 音量調整がしにくく、静かな住環境では練習時間に配慮が必要になる。
簡潔に言えば、音色を作り込みたいならエレキギター、楽器そのものの響きを楽しみたいならアコースティックギターです。ただし、「初心者だからアコギ」「ロックをやりたいから必ずエレキ」と短絡的に決める必要はありません。大切なのは、演奏したい曲、練習できる音量、必要な機材、継続しやすさを総合的に見ることです。
1. 音の出る仕組みの違い:電気信号で作るか、空洞で響かせるか

エレキギターとアコースティックギターの違いを理解するうえで、まず押さえるべきなのが音の発生構造です。どちらも弦を弾いて音を出す楽器ですが、その音が「聴ける形」になるまでの道筋がまったく異なります。
エレキギターは「弦の振動を電気信号に変える」楽器
エレキギターの本体には、ピックアップと呼ばれる部品が取り付けられています。これは弦の振動を拾い、電気信号としてアンプへ送る役割を持ちます。アンプはその信号を増幅し、スピーカーから音として出します。さらにエフェクターを使えば、音を歪ませたり、広がりを加えたり、残響を足したりできます。
この仕組みのため、エレキギターの音は、ギター本体だけで決まりません。ピックアップ、アンプ、エフェクター、シールド、スピーカー、さらには演奏者のピッキングまで含めて、最終的な音が作られます。言い換えると、エレキギターは楽器本体と機材全体で一つの音を設計する楽器です。
そのため、同じエレキギターでも、アンプの設定を変えるだけでまったく違う印象になります。澄んだクリーントーンにも、激しく歪んだロックサウンドにも、柔らかいジャズ風の音にも変化させられます。これがエレキギター最大の魅力であり、同時に初心者が最初に戸惑いやすいポイントでもあります。
アコースティックギターは「楽器本体がスピーカーになる」楽器
一方、アコースティックギターは、弦の振動がブリッジを通じて表板に伝わり、ボディ内部の空洞で共鳴して音が大きくなります。つまり、アコースティックギターでは、ギター本体そのものが音を増幅する装置です。電気を使わなくても音がしっかり前に出るのは、この構造によるものです。
アコースティックギターの音色は、ボディサイズ、木材、弦の種類、弾く位置、ピックの硬さ、指弾きかストロークかによって変わります。しかし、エレキギターほど外部機材で大きく加工する楽器ではありません。演奏者のタッチと楽器本体の鳴りが、かなり直接的に音へ反映されます。
このため、アコースティックギターはごまかしが利きにくい楽器ともいえます。強く弾けば強く鳴り、弱く弾けば弱く鳴る。コードを押さえる力が足りなければ音が詰まり、右手のリズムが乱れればそのまま演奏に出ます。そのぶん、自分の手で音を鳴らしている実感が得やすく、歌と一緒に弾く楽しさも感じやすいのです。
違いの核心は「完成した音がどこで生まれるか」
エレキギターは、弦を弾いた瞬間の音が出発点であり、アンプやエフェクターを通って音が完成します。アコースティックギターは、弦を弾いた瞬間に、楽器本体の響きとして音が完成します。
この違いを知ると、「エレキは機械的で、アコギは自然」という単純な見方では足りないことがわかります。エレキギターには音作りの創造性があり、アコースティックギターには生音の身体性があります。どちらも深く、どちらにも表現の幅があります。
2. 弾きやすさの違い:初心者にとって簡単なのはどちらか

「初心者にはエレキギターとアコースティックギターのどちらが簡単ですか?」という質問は非常に多いです。しかし、この問いは少し注意が必要です。なぜなら、何をもって簡単とするかによって答えが変わるからです。
左手の押さえやすさはエレキギターが有利なことが多い
一般的には、エレキギターのほうが弦を押さえやすい傾向があります。エレキギターは弦が比較的細く、弦高も低めに調整されていることが多いため、初心者でも指への負担が少なく感じやすいです。Fコードのようなバレーコードも、アコースティックギターよりは押さえやすいと感じる人が少なくありません。
ただし、エレキギターは弦が押さえやすいぶん、余計な弦のノイズも出やすくなります。不要な弦をミュートする技術、音を止める技術、歪ませた音でもきれいに聴かせる技術が必要です。つまり、最初の押さえやすさではエレキが有利でも、きれいに聴かせるには別の難しさがあります。
リズムとコード感を鍛えやすいのはアコースティックギター
アコースティックギターは、弦が太めで押さえる力も必要になりやすいため、最初は指が痛くなりやすいです。特にスチール弦のアコースティックギターは、慣れるまで左手の指先に負担がかかります。
しかし、アコースティックギターはコードを鳴らしたときの響きがわかりやすく、右手のストロークやリズムの良し悪しがそのまま音に出ます。そのため、弾き語りやコード伴奏を中心に学びたい人にとっては、基礎練習の手応えが非常に明確です。歌に合わせてコードを鳴らす楽しさを早く味わえるのも、アコースティックギターの強みです。
「簡単」ではなく「続けやすい」で選ぶ
初心者が本当に重視すべきなのは、どちらが簡単かではなく、どちらなら毎日触りたくなるかです。エレキギターの音が好きで、アンプから出る歪んだサウンドに憧れるなら、最初からエレキを選ぶほうが自然です。逆に、好きな歌を自分で弾き語りしたいなら、多少指が痛くてもアコースティックギターのほうが続きやすいでしょう。
練習は理屈だけでは続きません。「この音を出したい」「この曲を弾きたい」という気持ちがあるほうが、指の痛みや最初のつまずきを乗り越えやすくなります。ギター選びでは、性能比較だけでなく、自分がどんな音に心を動かされるかを大切にしてください。音をただ耳に入れるのではなく、演奏のニュアンスまで意識して味わう姿勢については、「聞く」と「聴く」の違いを押さえておくと、楽器選びの感覚もより明確になります。
【徹底比較】「エレキギター」と「アコースティックギター」の違いが一目でわかる比較表

ここまでの内容を、音の仕組み、必要な機材、練習環境、向いているジャンルなどの観点から整理します。単に優劣をつけるのではなく、目的に合うかどうかを見ることが大切です。なお、二つの対象を見比べる考え方自体を整理したい場合は、「対比」と「比較」の違いも理解の助けになります。
| 項目 | エレキギター | アコースティックギター |
|---|---|---|
| 音の出し方 | 弦の振動をピックアップで電気信号に変え、アンプで鳴らす | 弦の振動をボディで共鳴させ、生音として鳴らす |
| 音色の特徴 | アンプやエフェクターで多彩に変化させられる | 木の響きや弾き方がそのまま音に出やすい |
| 必要な機材 | アンプ、シールド、チューナー、場合によりエフェクターやオーディオインターフェース | 基本的には本体、チューナー、ピック、カポタスト程度で始めやすい |
| 練習時の音量 | ヘッドホン練習がしやすく、環境に合わせやすい | 生音が出るため、夜間や集合住宅では配慮が必要 |
| 指への負担 | 弦が細めで押さえやすいことが多い | 弦が太めで、慣れるまで指が痛くなりやすい |
| 向いているジャンル | ロック、メタル、ポップス、ジャズ、ファンク、ブルースなど | 弾き語り、フォーク、カントリー、ソロギター、アコースティックポップスなど |
| 表現の方向性 | 音作り、リフ、ソロ、バンドアンサンブルで個性を出しやすい | コードの響き、歌との一体感、生音のニュアンスを出しやすい |
| 初心者の注意点 | 本体以外の機材を含めて考えないと音が完成しない | 音量と指の負担を甘く見ると練習が続きにくい |
| 選ぶ基準 | バンド、ロック系の音色、ヘッドホン練習、音作りを重視する人 | 弾き語り、生音、シンプルな練習環境、歌との相性を重視する人 |
3. ジャンルと演奏スタイルの違い:どんな音楽をやりたいかで選び方は変わる

ギター選びで最も大切なのは、最終的にどんな音楽を演奏したいのかです。エレキギターとアコースティックギターは、同じコードを弾いても、曲の印象が大きく変わります。
ロックやバンドサウンドをやりたいならエレキギターが自然
ロック、メタル、パンク、ファンク、ブルース、ジャズロックなど、バンドの中でギターが存在感を出す音楽では、エレキギターが中心になることが多いです。リフ、パワーコード、ギターソロ、カッティング、歪み、ワウ、ディレイなど、エレキギターならではの表現が曲の骨格を作るからです。
また、エレキギターはバンド内で音量を調整しやすく、ドラムやベース、キーボードと混ざることを前提に音作りができます。アンサンブルの中で自分の音をどう配置するか、どの周波数帯を出すか、どの程度歪ませるかといった考え方も、エレキギターの面白さです。
弾き語りや歌の伴奏ならアコースティックギターが強い
一方、歌いながらコードを弾きたい人には、アコースティックギターが非常に相性のよい選択肢です。ギター一本で伴奏が成立し、歌と楽器の距離が近いからです。コードを鳴らした瞬間に空間が満たされる感覚は、アコースティックギターならではです。
シンガーソングライター系の音楽、フォーク、アコースティックポップス、路上ライブ、キャンプや友人との集まりなどでは、アコースティックギターの機動力が大きな魅力になります。電源やアンプがなくても、その場で音楽が始められるからです。
ソロギターはどちらでも可能だが、表現の方向が違う
ソロギターとは、メロディ、伴奏、ベースラインを一人で同時に弾くような演奏スタイルです。アコースティックギターでは、生音の響きと余韻を活かした温かいソロギターが得意です。エレキギターでは、サステインやエフェクトを使い、幻想的で広がりのあるソロ表現ができます。
同じ「一人で弾く」でも、アコースティックギターは空気を直接震わせる感じ、エレキギターは音像を作り込む感じが強くなります。どちらが優れているというより、目指す世界観が違うと考えるとよいでしょう。
4. 初心者が誤解しやすいポイント:安さ・音量・上達のしやすさだけで決めない

エレキギターとアコースティックギターを選ぶとき、初心者がつまずきやすい誤解があります。ここを理解しておくと、購入後の後悔をかなり減らせます。
誤解1:アコースティックギターのほうが機材が少ないから必ず安い
たしかに、アコースティックギターはアンプやシールドがなくても始められるため、必要機材は少なめです。しかし、だからといって必ず安く済むとは限りません。弾きやすさ、チューニングの安定性、音の良さを考えると、あまりに安価なギターでは練習が続きにくいことがあります。
エレキギターも本体以外にアンプなどが必要ですが、初心者セットや小型アンプ、ヘッドホンアンプ、マルチエフェクターなど選択肢があります。大切なのは、初期費用だけでなく、練習が快適に続く環境まで含めて予算を見ることです。
誤解2:エレキギターはうるさい
エレキギターはアンプにつなげば大きな音が出ますが、現代の練習環境ではヘッドホンを使える機材が多くあります。むしろ集合住宅や夜間練習では、エレキギターのほうが音量を管理しやすい場合があります。
ただし、エレキギター本体の生音も完全に無音ではありません。ピッキング音や弦の振動音はあります。それでも、アコースティックギターの生音に比べれば小さく、練習時間の自由度は高めです。
誤解3:アコースティックギターは初心者向けで、エレキギターは上級者向け
これはよくある誤解です。アコースティックギターは構造がシンプルに見えるため初心者向けと思われがちですが、実際には弦の押さえにくさや音のごまかしにくさがあります。逆にエレキギターは機材が多く複雑に見えますが、弦は押さえやすく、ヘッドホン練習もしやすいです。
どちらも初心者から始められます。重要なのは、最初に難しい理論や高価な機材をそろえることではありません。自分の好きな曲を一曲でも弾けるようになり、「もっと弾きたい」と思える状態を作ることです。
誤解4:どちらか一方を選ぶと、もう一方はできなくなる
エレキギターとアコースティックギターは違う楽器ですが、共通する基礎も多くあります。コードフォーム、リズム感、チューニング、音感、指板の理解などは共通しています。最初にエレキを選んでも、後からアコースティックギターを弾けます。逆も同じです。
ただし、演奏感はかなり違います。アコースティックギターに慣れた人がエレキを弾くと弦が柔らかく感じることがあり、エレキに慣れた人がアコースティックギターを弾くと指が疲れやすく感じることがあります。両方を弾くことで、むしろ表現の幅は広がります。
実践:「エレキギター」と「アコースティックギター」で迷ったときの5ステップ
ここからは、実際にどちらを選ぶべきかを判断するための具体的なステップを紹介します。楽器選びで大切なのは、世間一般の正解ではなく、あなたの生活と目的に合うことです。
ステップ1:弾きたい曲を3曲書き出す
まず、あなたが弾きたい曲を3曲書き出してください。その曲で鳴っているギターが、歪んだロックサウンドなのか、歌の後ろでジャカジャカ鳴るアコースティック伴奏なのかを確認します。憧れている音がエレキならエレキ、アコギならアコギを選ぶのが最も自然です。
初心者ほど「どちらが簡単か」で選びがちですが、継続を左右するのは憧れです。好きな曲に近づいている実感があると、練習は苦行ではなくなります。
ステップ2:練習場所と音量を現実的に考える
次に、自分がどこで練習するのかを考えます。戸建てで日中に音を出せるなら、アコースティックギターでも問題になりにくいでしょう。集合住宅や夜間練習が中心なら、ヘッドホン練習がしやすいエレキギターが現実的な場合があります。
アコースティックギターの音は想像以上に響きます。自分では心地よい音でも、隣室や階下では気になることがあります。反対に、エレキギターはアンプを使わなければ小さな生音しか出ませんが、アンプから出す音量管理には注意が必要です。
ステップ3:弾き語りをしたいか、バンドや録音をしたいかを決める
歌いながら弾きたいなら、アコースティックギターは非常にわかりやすい選択です。コードを覚え、ストロークを身につければ、比較的早い段階で曲として楽しめます。
一方、バンドを組みたい、ロックのリフを弾きたい、自宅録音で音作りをしたい、ギターソロに挑戦したいという人にはエレキギターが向いています。特に録音環境との相性はエレキギターが強く、オーディオインターフェースやアンプシミュレーターを使えば、自宅でも多彩な音作りができます。
ステップ4:楽器店で実際に抱えてみる
可能であれば、必ず楽器店で実物を持ってみてください。音以前に、重さ、ネックの太さ、ボディの大きさ、座って構えたときの安定感が違います。特にアコースティックギターはボディサイズの差が大きく、小柄な人には大きなドレッドノート型が扱いにくい場合があります。
エレキギターも、ストラトキャスタータイプ、レスポールタイプ、テレキャスタータイプなどで重さや構えやすさが変わります。見た目の好みも大切ですが、実際に抱えたときに「これなら毎日触れそう」と思えるかどうかを確認しましょう。
ステップ5:最初の一本は「完璧な一本」より「続く一本」を選ぶ
最初のギター選びでは、完璧を求めすぎないことも大切です。音色、材質、ブランド、ピックアップ、ボディ形状などを調べ始めると、いくらでも迷えます。しかし、初心者にとって最も重要なのは、毎日手に取り、練習を積み重ねられることです。
もちろん、極端に弾きにくい楽器は避けるべきです。しかし、最初から一生ものを探す必要はありません。最初の一本は、自分がギターの世界に入るための入口です。弾いていくうちに、自分の好みは必ず具体的になります。そのときに二本目、三本目を考えればよいのです。
「エレキギター」と「アコースティックギター」に関するよくある質問(FAQ)
最後に、初心者が特に迷いやすい疑問を整理します。
Q1:初心者はエレキギターとアコースティックギターのどちらから始めるべきですか?
A:弾きたい曲に近いほうから始めるのが最もおすすめです。ロックやバンド曲、ギターソロに憧れるならエレキギター、弾き語りや生音の伴奏をしたいならアコースティックギターが自然です。一般論としての簡単さより、「その音を出したい」と思える気持ちを優先したほうが続きやすいです。
Q2:エレキギターはアンプがないと弾けませんか?
A:弦を押さえて練習すること自体はアンプなしでもできます。ただし、エレキギターらしい音色や音量を確認するには、アンプやヘッドホン対応機材が必要です。アンプなしの生音だけで練習し続けると、音作りやノイズの処理が身につきにくい場合があります。
Q3:アコースティックギターは指が痛いと聞きますが、本当ですか?
A:最初は痛くなりやすいです。特にスチール弦のアコースティックギターは弦が太く、左手の指先に負担がかかります。ただし、正しいフォームで少しずつ練習すれば指先が慣れていきます。弾きにくすぎる場合は、弦高調整や細めの弦への交換で改善できることもあります。
Q4:エレアコとは何ですか?アコースティックギターとは違いますか?
A:エレアコは、アコースティックギターにピックアップやプリアンプを内蔵し、アンプやPAにつなげるようにしたギターです。生音の構造はアコースティックギターに近く、ライブや録音で音を拾いやすくしたものと考えるとわかりやすいです。弾き語りで人前に出たい人には便利な選択肢です。
Q5:エレキギターを買えばアコースティックギターの曲も弾けますか?
A:コード進行やメロディは弾けます。ただし、アコースティックギター特有の生音の広がりやストロークの響きは完全には再現できません。逆に、アコースティックギターでエレキギターのリフやソロを弾くこともできますが、歪みやサステインを前提にした表現は別物になります。曲の骨格は共有できても、音の質感は変わると考えるとよいでしょう。
まとめ

「エレキギター」と「アコースティックギター」の違いは、見た目やジャンルの違いだけではありません。最も本質的なのは、エレキギターは電気信号を使って音を作り込み、アコースティックギターは楽器本体の共鳴で生音を響かせるという点です。
- エレキギターは、アンプやエフェクターを使って音色を変化させられる自由度の高い楽器です。ロック、ポップス、メタル、ジャズ、ファンクなど幅広いジャンルに対応し、ヘッドホン練習や録音にも向いています。
- アコースティックギターは、ギター本体だけで音楽が成立するシンプルで力強い楽器です。弾き語り、生音の響き、コード伴奏、ソロギターに向いており、歌と一体になった表現がしやすいです。
初心者にとって大切なのは、「どちらが正解か」ではなく、「自分がどちらの音を出したいのか」です。エレキギターには音作りの楽しさがあり、アコースティックギターには生音を鳴らす喜びがあります。どちらにも難しさがあり、どちらにも続ける価値があります。
迷ったときは、弾きたい曲、練習環境、音量、必要機材、弾き語りをしたいかどうかを順番に確認してください。そして最後は、自分が毎日触りたくなる一本を選ぶことです。ギターは、理屈だけで上達する楽器ではありません。好きな音に近づきたいという気持ちが、最も強い練習の原動力になります。
エレキギターは、電気の力で音を広げる楽器。アコースティックギターは、木と空気の響きで音を届ける楽器。二つの違いを理解したうえで選べば、最初の一本は単なる買い物ではなく、あなたの音楽生活の確かな入口になるはずです。
参考リンク
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エレクトリックギター用材料の音色に対する物理特性と感覚特性
→ エレクトリックギターの材料が音色の印象にどのように関わるかを、物理特性と感覚評価の両面から検討した研究です。エレキギターの音が本体だけでなく素材や構造にも影響されることを理解する助けになります。 -
クラシックギターの音色特性に対するギター本体構造の影響
→ ギター本体の構造が放射音特性や音色に与える影響を検証した研究です。アコースティック系ギターにおいて、ボディ構造や響きが音の個性を左右する理由をより専門的に確認できます。 -
音響的特徴量を用いたエレキギターの演奏評価手法
→ エレキギター演奏を音響的特徴量によって評価する手法を扱った研究です。エレキギターの演奏では、音程やリズムだけでなく、音色や奏法の特徴も重要になることを理解する参考になります。

